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ヘルスケア

原因を正しく見極め、腰痛・体の痛みを取り除く

厚生労働省研究班の調査によると、腰痛の人は全国に推定で2800万人。40~60代の人の約4割が腰痛で悩んでいます。みなさんはどのように対処しているでしょうか。

わたし達理学療法士は、身体機能を評価することによって痛みの原因を特定し、挙がった問題点に対して治療プログラムを作成・実施していくことで身体機能の改善を図り、治療を行います。腰痛を例に挙げて、どのように治療をするかみていきましょう。

<問診>
まずは患者さんが何に困っているか、話を聞きます。腰という言葉では範囲が広く漠然としているため、痛みのある正確な部位や様子を聞き、関節、筋肉、椎間板などどこに原因があるか仮説を立てていきます。

・痛みに関して

・以前どのような病気、怪我をしたか(既往歴)

・環境、習慣について

「腰」と言っても様々


1.脊柱起立筋
2.腰椎
3.大殿筋
4.腰方形筋
5.椎間関節
6.仙腸関節
7.梨状筋

<検査>
問診で組み立てた仮説を裏付けしていくために検査を行います。検査では痛みの中心となる部分と全体とを見る事が必要です。細かい関節の動きや筋肉の状態などから部分の評価をし、その部分が身体全体の中でどのような影響を及ぼしているかを見て行きます。

痛みのある動作があるのであれば、どのような動かし方をしているか、どうすれば痛みが軽減するのかを見る動作分析を行います。あわせて姿勢のチェックも行います。座っている時、立っている時の姿勢を評価することで、動作中にどの筋肉や関節に負荷がかかっているかを見ることができます。痛みのある部分だけに注目していても、使い方が悪い事で痛みが起きているのであれば、その痛みは改善しないからです。

<プログラム作成、実施>
腰痛と言うと「腹筋、背筋を鍛えましょう」と言われる人も多いでしょう。ただし闇雲に鍛えればいいかというとそうではありません。評価に基づき、痛みの原因に対してアプローチをしていくプログラムを作成することで、その人に合ったトレーニングが可能になります。

実際の治療ではまず動きの悪い関節や硬くなった筋肉などを整え、骨、筋肉のバランスを調整します。その後、今まで使わずに弱っていた筋肉を活性化するよう、トレーニングを行います。

人によって痛みの原因は異なります。その人に合った方法で必要なトレーニングプログラムを作成し、正しい方法で行う事が痛みの緩和への近道です。また、関節や筋肉、神経といった身体的要素だけでなく、ライフスタイルや精神的要素も痛みを生み出す大きな要因の一つです。痛みの根本原因がどこにあるのか、ぜひ一度専門家に評価をしてもらい、自分の身体について知ってみてください。知識は意識を変え、意識は行動を変え、行動は身体を変えます。自分の身体について興味を持てば、痛みは治すことも、予防することもできるものなのです。

Physical Arts 川原万由子
理学療法士・ピラティスインストラクター
2008年Physical Arts開設。ピラティスをベースとしたコンディショニングで、痛みのある人や健康増進を目的とした人、アスリートなど幅広い人を対象としてケアを行う。産前産後のケアやダンサー、アーティストのケアも積極的に行っている。症状そのものだけではなく、症状の根本的な原因を改善するために、一人ひとりに合ったプログラムを提供している。
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タグ:痛み