ニュース & 特集

ヘルスケア

乳がん - 人生のための乳がん検診

乳房の悪性腫瘍は女性の新規がん罹患数全体の19.2%を占める、日本人女性にとって最大の脅威である。生存率は約90%であるものの、日本の乳がんによる10万人当たりの死亡率は1960年から2010年の間に一貫して上昇し、閉経後の女性においては10万人当たり約10人から約38人に上昇している。この上昇の大部分は食生活の悪化などの生活習慣の変化が原因と考えられる。病気の早期発見は予防と生存において重要な要素である。

触診 -自己検査または医師による検査 - がこれまで推奨され、良性腫瘍および悪性腫瘍の発見に利用されてきた。しかし、これらの検査では5mm未満の腫瘍の発見は難しい。小さい嚢胞や腫瘍は発見が困難なため、がん性の物質が1年以上発見されずに成長する可能性もある。

世界的なレベルでは政府が乳がんと戦っており、ピンクリボン運動によるプログラムを支援している。これは北米でスーザンGコーメン財団により始まり女性に検査を受けることを推奨している。X線マンモグラフィ装置、超音波診断装置、MRI装置(磁気共鳴画像装置) などの撮像方法を使用して定期的に検診を行うことが、乳がん早期発見の最も効果的な方法である。

検診率は、スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国では約70%、北米では約50%である。アジア諸国において比較的割合が高い国は韓国で40%から50%である。

これとは対照的に、日本での検診率は驚くほど低くわずか20%である。日本政府は最もリスクの高い40代女性の検診率50%を目標としている。全国の自治体はマンモグラフィ検査の無料クーポンを特定の年齢以上の女性に発行しており、マスメディアでこの検診を広告する自治体もある。

そのようなあらゆる努力にも関わらず、日本人女性の大半はまだ検診を避けている。理由は複雑であるが、恥ずかしい、家族に乳がん疾患患者がいない、病院は異常が発見されてから行く場所であり、検診や予防のために行く場所ではないという思い込み、などが挙げられる。

家族への遺伝
乳がんの最近の遺伝子研究は、乳がんが家族に遺伝する傾向があることを証拠づけている。北米では乳癌がん症例の約5〜10%は遺伝性乳がんとして分類されており、日本においても同様の結果が出始めている。例えば、BRCA1および2の遺伝子変異は、女性および男性の両方の高い乳がん率と関連づけられている。母親が長い乳がんとの闘病生活の後他界した女優アンジェリーナ・ジョリーは、彼女自身も80%の発症率と直面していたため、最近両方の乳房を切除する手術を行った。

ジョリーの思い切った行動により日本人女性の検診数が劇的に増加するということは無かったが、BRCA1および2などの病気の遺伝子マーカーを発見するためにDNAをテストするよう女性達の背中を押すことになった。しかし約20〜30万円という遺伝子検査の額は、明らかに誰にでも支払えるものではない。また政府からの払い戻しもない。

乳がんの影響は20代と30代の女性ではごく一部であるが、40代と50代の年齢層で上昇し、40代後半から50代でピークを迎える。日本政府と病院は、40代以降の女性に対し、2年に1度検診を受けることを推奨している。しかし、乳がんの疾患歴がある家族を持つ場合やBRCA1および2などの遺伝子変異を持つ場合は、速やかに、かつ半年から1年に1回検診を受ける必要がある。

どうすればがん細胞は早期発見できるだろうか?一般的にマンモグラフィ装置では、形状とサイズの両方で診断することによって100ミクロン未満の微小石灰化などを発見することができる。

様々な画像検診
様々な検診方法があり、それぞれに一長一短がある。マンモグラフィ装置がスタートラインで、石灰化組織の発見に非常に優れており、最も普及していて簡単な方法である。

日本においてもマンモグラフィ装置は検診や生体検査に非常に多く使用されている。しかし高濃度乳腺を検査するには十分有効とは言えない。超音波診断装置はしこり(腫瘤)や嚢胞の識別に有効であり、若い女性にありがちな高密度乳腺の検査に優れている。費用は5〜6千円程度である。MRI検査は最も確実な検査方法ではあるが、非常に高価で4〜5万円程度かかる。多くの医療施設では数百万人の日本人が毎年通う人間ドックとして、マンモグラフィ装置と超音波診断装置を組み合わせた検診パッケージを提供している。

マンモグラフィ装置、超音波診断装置、MRI装置などのデータを相互参照し、発がんの可能性のある物質を多角的に検査できるシステムおよびワークステーションを扱う医療機関は多くない。しかし近い将来には、異なるX線エネルギーの弁別技術や、様々な装置での画像診断結果を統合した専用ワークステーションを使用して、特定の種類のがん組織が診断できるようになる可能性がある。

しかしより重要なのは、患者が通う病院がそのような設備だけではなく、データを正確に解釈できる読影医を有しているかどうかという点である。病院や診療所では全ての検診方法が利用できない可能性がある。放射線読影医は様々な装置での画像診断を駆使した総合的な乳がん診断を実施するために訓練する必要がある。

検診を促進することは未来の乳がん率のさらなる上昇を防止するために不可欠であり、日本は乳房画像診断に焦点を当てる医療機関を支援し始めている。HealthyIMは日本および海外の女性を、乳がんとその苦痛や苦悩から開放するために、必要な検査を提供する施設に紹介する準備ができている。

タグ:がん