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伊藤公一、伊藤病院 院長

伊藤病院は、祖父の「甲状腺疾患を専門に診たい」との想いで、1937年に開設した。以来、1959年に父が2代目院長となり、1998年に私が3代目院長を継承、現在に至るまで76年にわたってひたすらに甲状腺疾患の診療のみに邁進してきた。それゆえ、甲状腺に関してはどこにも負けないという自負もあるし、甲状腺に関心がある者には、当院以上に働きがいがあるところはないと考えている。

全職員が同じ方向に向かっていることは大きな強みであるが、一方で難しさもあるのは否めない。同じことをしているだけでは進歩も難しく、慣れ、退屈といったことが生じる恐れがある。そのために民間病院である利点を活かし、常に時代の流れや医療技術の進歩に合わせて様々なことにチャレンジし、刺激を与えている。診察前迅速検査の導入、職員のみでつくる広報誌の発行、ISO9001の認証取得、また、開設以来続けているカルテの永久保存も、データ化して電子カルテと融合させたり、紙質が劣化したものはマイクロフィルム化するなど、伝統を守りつつ進歩を続けている。

メディカルツーリズムへの挑戦もその1つである。当院はもともと学術研究が活発で、国内外の学会や英論文を通じての情報発信、また外国人の診療は日常的に行っていた。そのような中、私自身が2009年に観光庁の「インバウンド医療観光に関する研究会」の委員に選任され、海外の病院視察や調査協力病院として活動したことが大きな刺激となった。翌年2010年には初代観光庁長官の本保氏をお招きして、院内全体の勉強会を実施、現場の職員と想いを共有した。リーフレットやホームページも多国語で充実させ、さらに2011年には中国語・韓国語を母国語として学び、日本語検定を取得した職員を採用した。彼は現在では通訳はもちろんのこと、院内各部署も積極的に資料の翻訳を頼むほどになっており、コミュニケーションに悩む在日外国人が少なくないことを痛感した。

かつては意識することなく行ってきたメディカルツーリズムであるが、改めて取り組むことで、学ぶことも多い。

伊藤公一(伊藤病院 院長)
北里大学医学部卒業、東京女子医科大学大学院修了。医師になって以来、国内外にて一貫してバセドウ病、橋本病、甲状腺癌など甲状腺疾患に対する診療と研究にひたすら従事。甲状腺疾患に関する著書多数。
東京女子医大、筑波大大学院非常勤講師。日本医科大学、了徳寺大学客員教授。
http://healthyim.com/hospital/jp03340274110

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