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肝臓がん―治療よりも予防が大切

人間ドックの利用が一般的になったことで、細胞診検体、乳房レントゲン写真、結腸鏡(ファイバースコープ)などを使ってがんを早期発見できるケースが非常に増えてきました。

中でも肝臓がんは世界中で最も多いがんの一つですので、正しい知識を学んでおくことが大切です。WHO(世界保健機構)の調査によると、肝臓がんは、世界中で第5番目に一般的ながんで、死亡率の多さは第3番目となっています。最初から肝臓にがんが発生することはあまりなく、B型またはC型肝炎ウイルスへの感染がきっかけとなる場合が多いとされています。

残念なことに、アジアは肝臓がんが発生しやすい地域とされており、西欧諸国での年間の発生率が10万人に10人以下とされているのに対し、アジア地域やアフリカでは、10万人あたり20人から100人もの人が、肝臓がんの診断を受けています。肝臓がんは年齢と共に発生率が上がるとされ、西欧諸国においては、50歳以下の人が肝臓がんを発症することはあまりありません。一方、肝臓がんリスクの高い地域の国では20歳以下の若い人々も発症しており、その原因は、この地域のB型肝炎、C型肝炎の特徴にあると言えるでしょう。

約75%から80%の肝臓がんは、慢性B型肝炎(50%から55%)か、C型肝炎(25%から30%)が原因とされ、感染後30年から50年の間に少しずつ肝臓がんが成長していきます。B型肝炎患者の年間の肝臓がん発症率は0.5%。また相対リスクは100:1とされ、それはつまりB型肝炎のキャリアは、肝炎に感染していない人に比べて、肝臓がんになる確率が100倍あるということになります。肝硬変を発症するケースは年間2.5%ほどですが、安心することはできません。肝硬変に限らず、病気の活動性は、40歳を境に年間の発生率が0.2%を超えるようになります。

研究によると、きちんと検査を行えば、まだ治療する必要がないほど小さなうちに、がんを発見することも可能だそうです。中国では、B型肝炎患者を対象に大規模な研究が行われ、毎月6種類の血液検査(アルファフェトプロテイン)と超音波検査を行うことで、肝臓がんによる死亡率を37%も減少させることができました。

台湾でも、約12万人のC型肝炎患者について、肝臓がんになる可能性がC型肝炎に感染していない人に比べて20倍も高いとされていましたが、C型肝炎の治療は近年になって改善されてきました。C型肝炎を治癒できるかどうかは、C型肝炎のウイルスの種類により、40%から80%と異なります。ウイルスの感染を治癒できれば、肝硬変や肝臓がんへの進行も止めることが出来ます。

脂肪肝は、メタボリックシンドロームの代表的な症状として良く知られてますが、肝硬変を引き起こす可能性のある病気であるということは見過ごされがちです。肥満、高血圧、糖尿病、高トリグリセリド血症、(HDL)高密度リポたんぱく質コレステロールが低レベルである等、がメタボリックシンドロームの診断基準で、米国においては、約4700万人がメタボリックシンドロームとされ、そのうちの80%以上は脂肪肝です。脂肪肝の人は、嚢胞性繊維症(のうほうせいせんいしょう)重症度が倍増します。5年にわたる調査の結果によると、患者の約40%で病気が進行しました。嚢胞性繊維症の進行は、肥満指数の高さと深く関連していて、肝硬変への進展リスクは、推定約20%となっています。

脂肪肝というのは、驚いたことに特別な治療法がなく、ダイエットによる減量が主な治療内容となります。10%かそれ以上の体重の減少により、肝機能の改善と、肝臓の肥大を減少させることができます。

チン・クェン・ロォン医師
消化器科・内科専門医
過去数年間において、医学治療は、発展しその素顔を変えてきました。現在は、予防医薬の時代に移行しています。
http://healthyim.com/ja/hospital/my60423888880

タグ:ローガンライ病院, 肝臓がん, マレーシア